第43回 尖るべきか、尖らないべきか

こんにちは、芹澤です。

今回は「尖るべきか、尖らないべきか」について書きます。

SNSなどでは、尖った発言をする経営者が目立ちます。

そういう状況を踏まえて、自分自身はどう立ち回るべきかを考えてみました。


AI時代、逆説的に「人の差」が効いてくる

まず、前提の話からです。

業種にもよりますが、AIの進歩によって、情報そのものの価値は確実に落ちてきています。

調べれば分かること、AIに聞けば答えが出ることに、以前ほどの価値はなくなりました。

第24回でも書きましたが、言語化されたアウトプットのコストが、劇的に下がったからです。

では、何で差がつくのか。

逆説的に、「人の差」がビジネスの差になってくると思っています。

情報で差がつかなくなるほど、「誰から買うか」「誰に頼むか」という人の部分が、選ばれる決め手になる。

つまり、お客様に自分のファンになってもらうことが、これまで以上に重要になります。

「この人から買いたい」と思ってもらえるかどうか。

ここが、AI時代の勝負どころだと考えています。


ファンを作るために、尖るべきなのか

では、どうすればファンになってもらえるのか。

一つの方法として、「尖る」という考え方があります。

平凡なこと、毒にも薬にもならないことを言っていても、人の記憶には残りません。

はっきりとした主張をして、他とは違う存在として目立つ。

多少の敵を作っても、それ以上に熱心な味方を作る。

これが「尖る」戦略です。

確かに、これはファンを作る有効な手段の一つだと思います。

SNSで影響力のある経営者や発信者は、たいてい尖っています。

賛否を呼ぶくらいはっきりした主張をするからこそ、強烈なファンがつく。

私自身、経営者として、あるいは会社の顔として、認知を広めるために尖ることには、意味があると思っています。


ただし、尖る意味は立場によって変わる

ここで、重要なことがあります。

尖るべきかどうかは、立場によって変わるということです。

私の中には、2つの顔があります。

一つは、経営者・会社の顔。

もう一つは、営業マンとして、現場でお客様と一対一で向き合う顔です。

経営者・発信者として尖るのは、アリだと思います。

しかし、営業マンという立場で尖るのは、得策ではありません。

目の前のお客様に「この人、ちょっと苦手だな」と思われた瞬間、その商談は終わります。

営業の現場で必要なのは、強烈な個性ではありません。

「この人になら任せられる」という安心感です。

尖って一部に強烈に好かれるより、目の前の一人に確実に信頼される方が、営業においては圧倒的に大事です。

同じ「ファンを作る」でも、立場によって、取るべきアプローチはまったく違うのです。


ファンは、尖らなくても作れる

そして、ここが今回一番言いたいことです。

ファンを作る方法は、尖ることだけではありません。

むしろ私は、尖らずにファンを作る方法の方を、大事にしています。

それが、丁寧さと清潔感です。

派手さはなくても、丁寧に対応してくれる。

身だしなみが清潔で、安心感がある。

約束を守り、誠実に向き合ってくれる。

こうした地味な要素の積み重ねが、実は一番強くファンを作ると思っています。

第35回で「信頼はちょっといいなの積み重ね」と書きましたが、まさにこれです。

尖って目立つのではなく、丁寧さで信頼を積み上げる。

一部に強烈に好かれることを狙うのではなく、目の前の一人に「この人にお願いしたい」と思ってもらう。

これが、私が目指すファンの作り方です。

派手ではありませんが、敵を作らず、着実にファンを増やせる方法だと思っています。


敵を作らないことは、味方を作る以上に大事

丁寧さでファンを作るという話は、「敵を作らない」という考え方と、根っこでつながっています。

ビジネスにおいて、敵を作らない、恨みを持たれないことは、味方を作る以上に大事だと思っています。

理由はシンプルです。

味方は、いてくれれば助けになります。

一方で、敵は、こちらが困ったときに足を引っ張ってくる。

一人の熱心なファンを作ることより、一人の敵も作らないことの方が、中長期的には効いてきます。

恨みを持たれていなければ、いざというとき、人は助けてくれます。

尖って敵を作るリスクを取るより、敵を作らずに着実に信頼を広げる。

これが、長く商売を続ける上で、地味ですが最も堅実な戦略だと思っています。


私が「敵を作らない」ために意識していること

最後に、具体的な話をします。

敵を作らないために、私が意識していることが5つあります。

1つ目は、負けを認めること。

意地を張らず、自分が間違っていたら素直に認める。勝ち負けにこだわりすぎない。

2つ目は、陰口を言わないこと。

その場にいない人の悪口は言わない。陰口は、巡り巡って必ず自分に返ってきます。

3つ目は、話を遮らないこと。

相手の話を最後まで聞く。遮られて嫌な気持ちになる人はいても、話を聞いてもらって嫌な人はいません。

4つ目は、感情を出さないこと。

第25回で「不機嫌は罪」と書きましたが、感情をぶつけることは、確実に敵を生みます。

5つ目は、ギブすること。

第26回で書いた通り、先に与える人には、敵ができにくいものです。

どれも地味なことばかりです。

しかし、この積み重ねが、敵を作らず、静かにファンを増やしていくのだと思っています。


まとめ

尖るべきか、尖らないべきか。

答えは、「立場による」です。

経営者・発信者として認知を広めるなら、尖ることにも意味があります。

しかし、営業マンとして目の前のお客様のファンを作るなら、尖る必要はありません。

むしろ、丁寧さと清潔感、そして「敵を作らない」という姿勢でこそ、ファンは着実に増えていきます。

派手に尖ってファンを作るより、地味でも敵を作らずに信頼を積み上げる。

AI時代に人の差で選ばれるのは、案外、こういう当たり前の積み重ねなのだと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


おまけ

今日から屋久島に行ってきます。

東京とはまったく違う環境だと思います。

大自然を味わいつつ、何か仕事に役立つインプットもできればと思っています。

次回は、屋久島で学んだことをビジネスの観点で記事にする予定です。

とはいえ、ほとんど準備できていないので、今から慌てて準備します。

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