こんにちは、芹澤です。
前回に続き、「やるしかない、と割り切ること」について書きます。
前回は、経営者としての自分に課している覚悟の話でした。
今回はそれを少し広げて、働くすべての人に通じる「決める」ことの意味を書いてみます。
先に、今回の結論を書きます。
私たちを消耗させる悩みの多くは、「決めていない」ことから生まれている。
そう思っています。
そのあたりに関して、自論を展開していこうと思います。
Contents
選択肢があることは、メリットだけではない
まず、少し逆説的な話から始めます。
一般的に、選択肢は多い方が良いとされます。
自由に選べることは、豊かさの象徴のように語られます。
しかし私は最近、選択肢が多いことには、デメリットもあると感じています。
選択肢があると、人は常に「これでいいのか」と考え続けてしまいます。
「別の道の方が良かったのではないか」
「今からでも変えた方がいいのではないか」
選べるからこそ迷いが生まれ、エネルギーを消耗する。
一方で、選択肢がない「やるしかない」状況には、実は良い面があります。
余計なことを考えなくていいのです。
やるべきことが一つに定まっているから、そこに集中できる。
迷いがない分、力を一点に注げる。
「やるしかない」は、一見しんどそうに見えて、実は人を強くし、成果を出しやすくする側面があると思っています。
無駄に悩む時間こそが、心を蝕む
ここから、今回の本題に入ります。
最近、心の不調で休職する人の話を聞く機会が増えている気がしていました。
気のせいかと思い、調べてみると、私の感覚はデータでも裏付けられていました。
仕事に強い不安・悩み・ストレスを感じている労働者の割合は、8割を超えています。
精神障害による労災請求件数は過去最多を更新し、前年から大幅に増加しています。
メンタル不調による休職も、年々増えているというデータがあります。
これは、間違いなく深刻な社会課題です。
その上で、一つの仮説を持っています。
心を病んでしまう原因の一つは、**「やるしかない状況で、無駄に悩んでしまうこと」**なのではないか、ということです。
泣いても笑ってもやらなければならないことは、決まっている。
だからやるだけ。というシンプルな考えしかないと私個人は思っています。
それなのに、「やりたくないな」「なんで自分がやらなきゃいけないんだ」と、頭の中でぐるぐると悩んでしまう。
この「悩んでいる時間」こそが、一番エネルギーを消耗させ、精神を削っているのではないか。
やること自体より、やる前に悩んでいる時間の方が、よほどしんどい。
嫌なタスクほど、取りかかる前が一番憂鬱で、いざ始めれば「意外とこんなものか」と終わることが多い。
悩みは、行動する前に最も膨らみます。
そして、その膨らんだ悩みが、心を蝕んでいく。
仕事ができる人は、無駄に悩まない
私が見てきた中で、仕事ができる人には、ある共通点があります。
無駄に悩まないということです。
やると決まったことに対して、「やりたくない」「面倒だ」といった感情を挟まず、淡々と手を動かす。
もちろん、何も感じていないわけではないと思います。
しかし、悩んでも仕方ないことは悩まない、という切り替えが、驚くほど早い。
「やるしかないなら、さっさとやる」
この割り切りができる人は、余計なストレスを溜め込みません。
逆に、一つひとつのタスクにいちいち感情を挟み、悩み、抵抗する人は、それだけで消耗していきます。
同じ仕事量でも、悩む人と悩まない人とでは、精神的な負荷がまったく違う。
これは、能力の差というより、思考の癖の差だと思っています。
「やるしかないことは、悩まずにやる」
この癖をつけることは、心を守る上でも、とても大事だと思っています。
そもそも、その頑張りを「決めた」のは自分か
ここで、もう一段、掘り下げます。
「悩まずにやる」と書きましたが、これには大前提があります。
それが、本当にやるべきことなのか。
会社員である以上、自分ではコントロールできないことがあるのは分かります。
理不尽な指示、過剰な業務量、人間関係。
自分の意思だけではどうにもならないことは、確かに存在します。
しかし、それでもあえて問いたいのです。
そこまで無理をして働く必要が、本当にあるのでしょうか。
心を壊してまで、その仕事を続ける必要があるのか。
そこまで自分を追い込むことを、自分で「決めて」いるのか。
自分で「やる」と決めているなら、まったく問題はないと思います。
しかし、もしかすると「頑張らなければならない」という思い込みに、縛られているだけかもしれません。
周りがそうだから。そういうものだと思っているから。
そうやって無意識に自分を追い込んでいるとしたら、一度立ち止まって考えてほしいのです。
その頑張りは、本当に必要な頑張りなのか、と。
仕事は、人生の全てではありません。
心を壊してまで守るべき仕事など、そう多くはないはずです。
「ほどよく働く」と「成果を出す」は両立しない
ここで、現実的な話もしておきます。
「ほどよく働きたい」という思いと、「仕事で成果を出したい」という思い。
この2つを、同時に、高いレベルで叶えるのは、正直かなり難しいと思っています。
前回書いた通り、結果を出している人は、結局のところ膨大な時間を投下しています。
ほどよく働きながら、トップレベルの成果も出す。
そんな都合のいい話は、多くの場合、成立しません。
どこかで、トレードオフが発生します。
だからこそ、大事なのは、どちらかを選ぶことです。
成果を追うなら、時間を投下する覚悟を決める。
ほどよく働くなら、成果への期待をある程度手放す。
そのどちらかを、自分で選ぶ。
あるいは、「ここまでは頑張るが、ここから先はやらない」という線を、自分で決めておく。
そして、自分で決めたことには、うだうだ言わない。
すべては、決めの問題
ここまでの話は、結局、一つのことにつながります。
あらゆることは、決めの問題である。
選択肢に迷うのも、無駄に悩むのも、無理して働き続けるのも、根っこは同じです。
「決めていない」から、悩みが生まれる。
成果も出したい、でも無理はしたくない。頑張りたい、でもしんどい。
この間で、決めないまま揺れ続けることが、人を一番消耗させます。
前回「やると決める」という話を書きましたが、これは頑張る方向にだけ言えることではありません。
「ここまでしかやらない」と決めることも、立派な「決め」です。
大事なのは、頑張るか頑張らないかではなく、自分で決めているかどうかです。
自分で決めた線の中にいるなら、多少しんどくても納得感があります。
しかし、決めないまま流されていると、際限がなくなり、いつか壊れてしまう。
どこまでやるか。何を捨てるか。何を守るか。
それを自分で決めることが、結果的に、自分の心を守ることにつながるのだと思っています。
まとめ
私たちを消耗させる悩みの多くは、「決めていない」ことから生まれています。
選択肢に迷い、やる前に悩み、無理して働き続ける。
そのどれもが、「自分で決めていない」状態です。
やると決めたことは、悩まずにやる。
やらないと決めたことは、手放す。
そして、決めた線の中で生きる。
あらゆることは、決めの問題です。
自分で決めることが、成果にも、そして自分の心を守ることにも、つながると思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
なお、今回は心の不調にも触れました。
もし今、しんどい状況にある方がいれば、無理に頑張ろうとせず、身近な人や専門の窓口に頼ってほしいと思います。
おまけ
私は中高でサッカー部に所属していました。
当時、走り込みの練習が本当に嫌いでした。
部で1、2を争う体力の先輩に、あるとき聞いたことがあります。
「なんでそんなに速く走れるんですか」
その先輩の答えを、今でも覚えています。
「速く走った方が、辛い時間が早く終わるから」
「辛くないから速く走れるんでしょ」と思っていた私にとって、この答えは衝撃でした。
やるしかない状況なら、悩まず、さっさと終わらせる。
まさに今回の話を、体現している先輩でした。
当然かもしれませんが、勉強でもそれを体現し、難関国立の医学部に進学していきました。
ヒントを言うと私の大学の先輩でもあります。
(当然、学部は違います笑)