第39回 どこを押さえるべきかを考えるべき

こんにちは、芹澤です。

今回は、少し経営者らしい話をします。

テーマは「どこを押さえるべきか」です。

経営をしていると、やるべきことは無限に出てきます。

しかし、リソースは有限です。

全部を全力でやろうとすると、結局どこも中途半端になる。

だからこそ、「ここを押さえれば、結果が大きく変わる」という急所を見極めることが、経営者の大事な仕事だと思っています。

今回は、社内と社外、それぞれの「急所」の話をします。


きっかけは、営業目標の設定

この話を考えるきっかけは、営業マン各人の年間目標を決める作業でした。

各営業マンに、年間でいくらの売上を目指してもらうか。

これを決めるにあたって、私は悩んでいました。

目標が無謀すぎてもいけない。高すぎる目標は、最初から諦めを生みます。

かといって、簡単すぎてもいけない。楽に届く目標では、成長も、会社の利益最大化も望めません。

これまで弊社の目標設定は、社長(先代)の感覚、いわゆる前年比で決まっていました。

長年の勘なので大きくは外れませんが、明確なロジックはありませんでした。

そこで今年からは、前年のデータをもとに、現実的で、かつ少し背伸びした数値を置くことにしました。

その際に意識したのが、「誰とライバル関係を作るか」です。

営業マン同士が互いに高め合えるように、数値のバランスを調整してみました。


営業目標は「社内の急所」だった

この作業を通じて、あることに気づきました。

営業目標の数値は、社内における『押さえるべき急所』だったということです。

ここを適当に置くと、結果が大きくブレます。

目標が低すぎれば、全員がそのラインで満足してしまい、会社全体の売上が伸びない。

高すぎれば、達成できずにモチベーションが下がる。

たった一つの数値の置き方で、一年の結果が大きく変わる。

逆に言えば、ここをしっかり考えて押さえるだけで、結果を大きく動かせる。

営業目標は、まさに「テコを入れるべき一点」でした。

そしてこの経験から、より大きな気づきを得ました。

経営とは結局、「どこを押さえれば結果が最大化するか」を見極める営みなのだ、と。


同じ発想を、他社との競争に広げる

この「どこを押さえるか」という発想は、社内だけの話ではありません。

他社との競争においても、まったく同じことが言えます。

大切なのは、**「自分たちは何を争っているのか」「どこで差を生むべきか」**を見極めることです。

ここを間違えると、力を入れる方向がずれてしまい、頑張っているのに勝てないという状況に陥ります。

では、弊社が属する窓リフォーム業界では、何を争っているのか。

私が肌で感じているのは、主に2つです。

一つは、当たり前ですが、価格です。

ここは逃げることはできません。

ただし単なる定価ではなく、補助金を差し引いた後の「最終的な手出し金額」です。

もう一つは、会社への信頼・安心感です。

高い買い物だからこそ、「この会社に任せて大丈夫か」という感覚が、最後の決め手になります。

そして、この2つは別々のものではなく、つながっています。

要は、「価格が、サービスや信頼に見合っているか」ということです。

逆に言えば、サービスや信頼が価格に見合っていれば、他社より多少高くても、お客様は弊社を選んでくれます。


私が押さえると決めた急所

この2つの中で、私が「ここで差を生む」と決めた急所があります。

補助金利用に対しての、安心感です。

窓リフォームは、国や自治体の補助金制度と密接に関わっています。

しかし、この補助金制度は複雑です。

お客様からすると、「本当に自分は対象なのか」「いくら戻ってくるのか」「手続きは面倒じゃないか」という不安がつきまといます。

ここに、差をつけられる余地があると考えました。

実は弊社は、この分野で長年培ってきたノウハウがあります。

しかし、その強みを表面化できていませんでした。

せっかくの武器が、お客様に伝わっていなかったのです。

そこで、この強みをきちんとアピールするために、動きました。

具体的には、3つの取り組みです。

1つ目は、補助金の申請代行までワンストップで対応すること。

お客様が面倒な手続きに悩まなくていいように、申請までこちらで巻き取る。

これは私が入社する前からある、弊社の根幹の取り組みです。

土台はすでにできていました。だからこそ、残りの2つは「その強みを、お客様の目に触れる形にする」作業でした。

2つ目は、複雑な制度の流れを、分かりやすく説明する資料を作ること。

「よく分からない」を「なるほど、これなら安心だ」に変える。

3つ目は、実績を可視化すること。

過去にどれだけの補助金活用をサポートしてきたか、実績をホームページや資料に載せる。

加えて、Googleマップの口コミも、信頼を可視化する重要な手段だと考えています。

実際にサービスを受けたお客様の生の声は、こちらがどれだけ「安心です」と言うより、はるかに説得力があります。

会社が発信する実績と、お客様から発信される口コミ。

この両方が揃うことで、信頼の裏付けはより強固になります。

この3つを積み重ねることで、「補助金のことなら、この会社に任せれば安心だ」という状態を作りにいっています。


逆に、戦わないと決めた場所

急所を押さえることと同じくらい大切なのが、「どこで戦わないか」を決めることです。

私が戦わないと決めているのは、単純な値引き競争です。

値引きは、一見わかりやすい差別化です。

しかし、価格だけで勝負すると、体力のある大手や、無理をする同業に必ず巻き込まれます。

そして、値引き合戦の先にあるのは、利益の消耗だけです。

ここで、一つ大事な事実があります。

売上と仕事の忙しさは、基本的に比例します。

しかし、利益と忙しさは、必ずしも比例しません。

忙しく働いても、手元にお金が残らない、ということは起こり得ます。

まさに「貧乏暇なし」です。

これは、経営者として最も避けるべき状態だと考えています。

値引き競争は、この「貧乏暇なし」に一直線です。

だからこそ、安さだけを求めるお客様を追いかけるのではなく、「安心して任せられるから、この会社にお願いしたい」と思ってもらう。

そこで選ばれる会社でありたいと思っています。


まとめ

経営者は、どこを押さえるべきか。

社内においては、営業目標という数値の急所を、しっかり考えて押さえる。

社外においては、何を争っているのかを見極め、自分たちが差を生むべき急所にリソースを集中する。

弊社の場合、それは「補助金に対する安心感」であり、逆に「単純な値引き競争」からは降りると決めました。

全部を頑張るのではなく、結果が最も変わる一点を見極めて、そこにテコを入れる。

これが、経営者の一番大事な仕事なのだと思っています。

さて、この狙いが吉と出るか、凶と出るか。

結果は、来年のお楽しみということで。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


おまけ

「どこを押さえるべきか」なんて偉そうに書きましたが、家庭で私が押さえるべき急所は、いまだに分かりません。

今は仕事のことで頭がいっぱいで、家庭の急所を考える余裕がないのが正直なところです。

なすがままに、頑張ってみます。

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