こんにちは、芹澤です。
今回は、少し経営者らしい話をします。
テーマは「どこを押さえるべきか」です。
経営をしていると、やるべきことは無限に出てきます。
しかし、リソースは有限です。
全部を全力でやろうとすると、結局どこも中途半端になる。
だからこそ、「ここを押さえれば、結果が大きく変わる」という急所を見極めることが、経営者の大事な仕事だと思っています。
今回は、社内と社外、それぞれの「急所」の話をします。
きっかけは、営業目標の設定
この話を考えるきっかけは、営業マン各人の年間目標を決める作業でした。
各営業マンに、年間でいくらの売上を目指してもらうか。
これを決めるにあたって、私は悩んでいました。
目標が無謀すぎてもいけない。高すぎる目標は、最初から諦めを生みます。
かといって、簡単すぎてもいけない。楽に届く目標では、成長も、会社の利益最大化も望めません。
これまで弊社の目標設定は、社長(先代)の感覚、いわゆる前年比で決まっていました。
長年の勘なので大きくは外れませんが、明確なロジックはありませんでした。
そこで今年からは、前年のデータをもとに、現実的で、かつ少し背伸びした数値を置くことにしました。
その際に意識したのが、「誰とライバル関係を作るか」です。
営業マン同士が互いに高め合えるように、数値のバランスを調整してみました。
営業目標は「社内の急所」だった
この作業を通じて、あることに気づきました。
営業目標の数値は、社内における『押さえるべき急所』だったということです。
ここを適当に置くと、結果が大きくブレます。
目標が低すぎれば、全員がそのラインで満足してしまい、会社全体の売上が伸びない。
高すぎれば、達成できずにモチベーションが下がる。
たった一つの数値の置き方で、一年の結果が大きく変わる。
逆に言えば、ここをしっかり考えて押さえるだけで、結果を大きく動かせる。
営業目標は、まさに「テコを入れるべき一点」でした。
そしてこの経験から、より大きな気づきを得ました。
経営とは結局、「どこを押さえれば結果が最大化するか」を見極める営みなのだ、と。
同じ発想を、他社との競争に広げる
この「どこを押さえるか」という発想は、社内だけの話ではありません。
他社との競争においても、まったく同じことが言えます。
大切なのは、**「自分たちは何を争っているのか」「どこで差を生むべきか」**を見極めることです。
ここを間違えると、力を入れる方向がずれてしまい、頑張っているのに勝てないという状況に陥ります。
では、弊社が属する窓リフォーム業界では、何を争っているのか。
私が肌で感じているのは、主に2つです。
一つは、当たり前ですが、価格です。
ここは逃げることはできません。
ただし単なる定価ではなく、補助金を差し引いた後の「最終的な手出し金額」です。
もう一つは、会社への信頼・安心感です。
高い買い物だからこそ、「この会社に任せて大丈夫か」という感覚が、最後の決め手になります。
そして、この2つは別々のものではなく、つながっています。
要は、「価格が、サービスや信頼に見合っているか」ということです。
逆に言えば、サービスや信頼が価格に見合っていれば、他社より多少高くても、お客様は弊社を選んでくれます。
私が押さえると決めた急所
この2つの中で、私が「ここで差を生む」と決めた急所があります。
補助金利用に対しての、安心感です。
窓リフォームは、国や自治体の補助金制度と密接に関わっています。
しかし、この補助金制度は複雑です。
お客様からすると、「本当に自分は対象なのか」「いくら戻ってくるのか」「手続きは面倒じゃないか」という不安がつきまといます。
ここに、差をつけられる余地があると考えました。
実は弊社は、この分野で長年培ってきたノウハウがあります。
しかし、その強みを表面化できていませんでした。
せっかくの武器が、お客様に伝わっていなかったのです。
そこで、この強みをきちんとアピールするために、動きました。
具体的には、3つの取り組みです。
1つ目は、補助金の申請代行までワンストップで対応すること。
お客様が面倒な手続きに悩まなくていいように、申請までこちらで巻き取る。
これは私が入社する前からある、弊社の根幹の取り組みです。
土台はすでにできていました。だからこそ、残りの2つは「その強みを、お客様の目に触れる形にする」作業でした。
2つ目は、複雑な制度の流れを、分かりやすく説明する資料を作ること。
「よく分からない」を「なるほど、これなら安心だ」に変える。
3つ目は、実績を可視化すること。
過去にどれだけの補助金活用をサポートしてきたか、実績をホームページや資料に載せる。
加えて、Googleマップの口コミも、信頼を可視化する重要な手段だと考えています。
実際にサービスを受けたお客様の生の声は、こちらがどれだけ「安心です」と言うより、はるかに説得力があります。
会社が発信する実績と、お客様から発信される口コミ。
この両方が揃うことで、信頼の裏付けはより強固になります。
この3つを積み重ねることで、「補助金のことなら、この会社に任せれば安心だ」という状態を作りにいっています。
逆に、戦わないと決めた場所
急所を押さえることと同じくらい大切なのが、「どこで戦わないか」を決めることです。
私が戦わないと決めているのは、単純な値引き競争です。
値引きは、一見わかりやすい差別化です。
しかし、価格だけで勝負すると、体力のある大手や、無理をする同業に必ず巻き込まれます。
そして、値引き合戦の先にあるのは、利益の消耗だけです。
ここで、一つ大事な事実があります。
売上と仕事の忙しさは、基本的に比例します。
しかし、利益と忙しさは、必ずしも比例しません。
忙しく働いても、手元にお金が残らない、ということは起こり得ます。
まさに「貧乏暇なし」です。
これは、経営者として最も避けるべき状態だと考えています。
値引き競争は、この「貧乏暇なし」に一直線です。
だからこそ、安さだけを求めるお客様を追いかけるのではなく、「安心して任せられるから、この会社にお願いしたい」と思ってもらう。
そこで選ばれる会社でありたいと思っています。
まとめ
経営者は、どこを押さえるべきか。
社内においては、営業目標という数値の急所を、しっかり考えて押さえる。
社外においては、何を争っているのかを見極め、自分たちが差を生むべき急所にリソースを集中する。
弊社の場合、それは「補助金に対する安心感」であり、逆に「単純な値引き競争」からは降りると決めました。
全部を頑張るのではなく、結果が最も変わる一点を見極めて、そこにテコを入れる。
これが、経営者の一番大事な仕事なのだと思っています。
さて、この狙いが吉と出るか、凶と出るか。
結果は、来年のお楽しみということで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
おまけ
「どこを押さえるべきか」なんて偉そうに書きましたが、家庭で私が押さえるべき急所は、いまだに分かりません。
今は仕事のことで頭がいっぱいで、家庭の急所を考える余裕がないのが正直なところです。
なすがままに、頑張ってみます。