こんにちは、芹澤です。
今回は「与えること」について書きます。
ビジネスの話ですが、ビジネスに限らない話でもあると思います。
結論から言います。
信頼は、与えることから始まります。
Contents
先に与えることへの抵抗感
「先に与える」という話をすると、損をしそうに感じる人もいると思います。
見返りがないかもしれない。利用されるだけかもしれない。
その気持ちは理解できます。
しかし、考えてみてください。
あなたが誰かを「信頼できる人だ」と感じるとき、そのきっかけは何でしたか。
おそらくその人は、見返りを求めず、何かをしてくれた人ではないでしょうか。
情報をくれた。時間を使ってくれた。親身になってくれた。
信頼の起点は、ほぼ例外なく「与えてもらった経験」にあると思っています。
情報を与えることの力
私が仕事の中で特に意識しているのが、情報を与えることです。
お客様との間には、多くの場合「情報格差」があります。
窓リフォームの専門家として、補助金の知識・製品の特性・工事の注意点など、お客様が知らないことを大量に持っています。
この情報を出し惜しみするか、率直に伝えるかで、信頼の積み上がり方が全く変わります。
「実は、この補助金を使えばかなりお得になります」
「この製品より、こちらの方がお客様のご状況に合っています」
場合によっては「この窓はやらなくて大丈夫です」とお伝えすることもあります。
自分たちの利益だけを考えれば、言わなくてもいいことかもしれません。
しかし、こういった情報を率直に伝えることが、「この会社は信頼できる」という感覚につながります。
情報を与えることは、コストではなく投資です。
先に与えられると、人は自然と信頼する
仕事をしていると、「この人は信頼できるな」と感じる瞬間があります。
振り返ってみると、そのほぼすべてに共通点があります。
その人が、先に何かを与えてくれた瞬間です。
頼んでもいないのに有益な情報を教えてくれた。こちらのことを考えた提案を、先にしてくれた。時間を使って、丁寧に向き合ってくれた。
こういった経験をすると、「この人の役に立ちたい」「この人を応援したい」という気持ちが自然と生まれます。
理屈ではなく、感情として動かされる感覚です。
逆のパターンも、同じくらいはっきりしています。
「与えられるのを待っている人」には、信頼を置けません。
まず自分にメリットがあるかどうかを確認してから動く。損をしないことを優先して、先には踏み出さない。
こういう姿勢が透けて見えると、こちらも自然と距離を置きたくなります。
損得を計算している人間同士の関係は、どこまでいっても浅いままです。
返報性の原理
なぜ、与えることが信頼につながるのか。
これには心理学的な裏付けがあります。
**「返報性の原理」**と呼ばれるものです。
人は何かをしてもらったとき、「お返しをしなければ」という感情が自然と生まれます。
与えられてラッキーで終わらせられる人は、実はほとんどいません。
意識的かどうかに関わらず、「何かお返しがしたい」という気持ちが働く。
これは人間として自然な感情です。
つまり、先にギブすることは、相手の中に「返したい」という感情を生み出す行為でもあります。
見返りを期待してギブするのは本末転倒ですが、結果として返ってくる構造が人間の心理に組み込まれている。
ギブが合理的な戦略である理由は、ここにもあります。
与えられ待ちの姿勢でいる人は、この返報性の連鎖を自ら断っていることになります。
ギブが先、見返りは後
ビジネスの現場で感じるのは、先にギブできる人間が最終的に強いということです。
取引先に対しても同じです。
自分が得をすることより先に、相手にとって有益な情報や提案を持っていく。
「この人と仕事をすると、何かを得られる」という印象が積み重なると、自然と声がかかるようになります。
逆に、最初から「自分が得をしたい」という姿勢が透けて見えると、どれだけ良い商品やサービスを持っていても信頼されません。
人は感情で動きます。
「この人のためなら」という感情は、ギブの積み重ねからしか生まれません。
信頼は最も貴重な資産である
ビジネスで持てる資産はいろいろあります。
お金、人脈、技術、ブランド。
その中で、私が最も価値が高いと思っているのが信頼です。
なぜか。
信頼は、お金で買えないからです。一夜にして手に入れることもできません。
しかし一度積み上がると、これが非常に強い。
お客様からの紹介が生まれる。取引先から優先的に声がかかる。困ったときに助けてもらえる。
信頼という資産は、複利で増えていくイメージです。
そして、信頼を積み上げる唯一の方法が、与え続けることだと思っています。
与えることは、長期戦である
与えたからといって、すぐに見返りが来るわけではありません。
むしろ、短期で見れば損をしていることの方が多い。
「与えても意味がなかった」と諦めてしまう人も多いと思います。
しかし、信頼は時間をかけて積み上がるものです。
1回のギブで信頼が生まれるほど、甘くはありません。
5回、10回と与え続けた先に少しずつ信頼が形になってきます。
一点だけ補足します。
受け取るだけで返さない人(テイカー)も、一定数います。
そういう相手に与え続けることは、ただの消耗です。
「この人はちょっと違うな」と感じたら、あっさり損切りすることも大切な判断だと思っています。
与え続ける相手を見極めながら、焦らず積み上げていく。
これが、長期的に強いビジネスをつくる上で、最も地味で、最も効く戦略だと思っています。
まとめ
与えることから、信頼は始まります。
情報を与える。時間を与える。誠実さを与える。
見返りを期待せず、先に与え続けること。
それが結果として、最も貴重な資産である信頼につながります。
信頼があれば、仕事は自然とついてきます。
信頼がなければ、どれだけ良い商品やサービスを持っていても、長続きしません。
与えることを惜しまない人間でありたいと、改めて思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
おまけ
直近、まさしく「与えられた経験」をしたため、この記事を書きました。
ある保険の営業マンの方の話です。
正直に言うと、保険の営業マンは基本的に信用していません。
初めて会ったときは、かなり警戒していました。
しかし話してみると、興味深い情報を惜しみなくくれる。
会社のお金の使い方に対する考え方が私と近いこともあり、後日いろいろと保険について質問をしました。
平日・休日を問わず丁寧に回答してくれ、追加の資料まで作成してくれる。
フルコミッションの給与体系ゆえ、休日という概念が薄いのかもしれません。
大きな契約を取りたいという思いも、当然あると思います。
ただ、彼がいくら受け取ろうが、それ以上に会社にリターンがあるなら関係ありません。
むしろ、有益な情報をくれた対価はきちんと払わないと、こちらが気持ち悪い。
年下ですが、厳しいフルコミッションの世界で生き残っている理由がわかった気がしました。
保険の知識だけでなく、人間関係の基本を改めて認識させてもらいました。
会社の保険については、話がまとまり次第また記事にしようと思います。
なお、この記事を書いている現在、宮古島に来ています。
宮古島に来て、ビジネス観点で学んだことを、次回の記事にする予定です。
おすすめ書籍
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