第31回 好きだから得意になるのか、得意だから好きになるのか

こんにちは、芹澤です。

今回は「好き」と「得意」の関係について書きます。

就活や転職の場面で「好きなことを仕事にしよう」という言葉をよく聞きます。

一見、正しいように聞こえます。

しかし私は、少し違うと思っています。

結論から言います。

基本的には、得意だから好きになるのだと思っています。


「好きだから得意になる」は本当か

「好きなことだから頑張れる。頑張るから上手くなる」という論理です。

確かに、好きなことには自然と時間をかけられます。その意味では間違っていません。

しかし、よく考えてみると、そもそもなぜそれが好きになったのかという疑問が残ります。

最初から好きだったものは、本当に存在するのでしょうか。

私はほとんどの場合、「他の人より少しうまくできた」「褒められた」「結果が出た」という経験が先にあると思っています。

その成功体験が、「これが好きだ」という感情を生んでいる。

つまり、順番は逆です。


得意だから、好きになる

勉強を例に考えてみます。

算数が好きな子どもは、たいてい算数が得意です。

算数が得意だから、解けたときの達成感がある。褒められる。自信がつく。だから好きになる。

最初から「算数という科目が好き」だった子どもは、おそらくほとんどいません。

スポーツも同じです。サッカーが好きな子は、同学年の中でそれなりにうまい子が多い。

仕事も然りです。「この仕事が天職だ」と感じている人は、その仕事で結果を出している人です。

他の人と比べて少し得意だから、楽しいと感じられる。

これが「好き」の正体だと思っています。


向いていない環境で頑張るのはもったいない

ここで重要なのが、「環境」の話です。

得意かどうかは、絶対的なものではなく、相対的なものです。

ある環境では平均以下でも、別の環境では上位になれることがあります。

私自身、エンジニアとして新卒で入社したとき、周囲と比べて特別得意とは言えませんでした。むしろ、全然できない部類でした。

しかしコンサルでは、新しい知識をインプットすることが得意だったので、比較的楽しく働けていました。

家業に入ってからも、ITやマーケティングの知識はガラス業界の中では希少で、それが強みになりました。

同じ能力でも、置かれる環境によって「得意かどうか」は変わります。

向いていない環境で頑張り続けることは、ポテンシャルを引き出せないまま消耗するだけです。

好きなことであっても、自分の能力が活きない環境ではモチベーションは上がりません。

環境の選択は、努力と同じくらい、あるいはそれ以上に重要です。


「続けることが美徳」という考え方は違う

日本では「石の上にも三年」「続けることが大事」という価値観が根強くあります。

私はこれに、半分だけ賛成します。

ある程度続けなければ、得意かどうかの判断すらできません。

しかし、向いていない環境で我慢して続けることを美徳とするのは、違うと思っています。

続けることが目的になってしまうと、本来の目的を見失います。

何のために続けるのか。結果を出すためであり、成長するためです。

結果が出ない環境、成長できない環境で続けることは、単なる消耗です。

第27回でリスクの話を書きましたが、「辞める」という選択もリスクに見えて、実は本質的なリスクが低い場合があります。

向いていない環境に留まり続けることの方が、長い目で見るとリスクが高いことも多いと思っています。


では、どうやって「得意なこと」を見つけるか

一つ基準を持っています。

他の人が苦に感じることを、自分は苦に感じないかどうか。

努力している感覚なく、自然とできてしまうこと。

人から感謝されたり、褒められたりすることが多いこと。

雑に言うと、自分に酔える・脳汁が出るものです。

これが「得意」のサインだと思っています。

第17回で「才能とは、物事のキモを捉えるのがうまいこと」と書きました。

得意なことは、その才能が発揮されやすい領域です。

得意なことを見つけ、それが活きる環境を選ぶ。

この2つが揃ったとき、「好き」という感情は自然とついてきます。


まとめ

好きだから得意になるのではなく、得意だから好きになる。

これが私の持論です。

得意かどうかは環境に左右されます。

向いていない環境で我慢し続けることは美徳ではなく、ただの消耗です。

自分が得意なことを見つけ、それが活きる環境を選ぶ。

「続けること」より「選ぶこと」「見つけること」の方が、長い目で見てずっと大事だと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


おまけ

学生時代、サッカーをずっとやっていました。

それなりに好きでしたが、振り返ると「得意」と感じることは少なかったと思います。

アメフトも同様で、「得意」と思ったことはありません。

でも、なぜ続けるのか。

脳汁が出るからです。

通常の生活では味わえない刺激を得られるからです。

得意なことばかりやっていると、天狗になってしまいます。

自分の小ささを知るためにも、苦手なことに少し取り組むのも悪くないと思っています。

本文と矛盾しているかもしれませんが、それはご愛嬌ということで。

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