こんにちは、芹澤です。
今回は「社長が社員に求めてはいけないこと」についてお話しします。
簡潔にするために「社員」という言葉を使っていますが、これは「役職を持っていない一般社員」を指しています。
Contents
前回までの概要
会社はピラミッド組織であり、正しいコミュニケーションフローを守るべきだという内容を以前の記事でお話ししました。
今回は組織にピラミッド組織における「社長が社員に求めてはいけないこと」について私の考えを述べたいと思います。
ピラミッド組織における仕事
本題に入る前にピラミッド組織における仕事について述べます。
ピラミッド組織における仕事というのは役職上位者からの指示内容を行うというのが原則です。
役職が上になるほど抽象的な仕事が増え、ピラミッドの下部に行くほど具体性が高くなる仕事になっていきます。
抽象と具体の仕事について、少しだけ説明します。
抽象的な仕事
抽象的な仕事とは何でしょうか。
ピラミッド組織におけるトップは社長です。
(厳密に言うと株主ですが、多くの中小企業は筆頭株主=社長のため、トップは社長とします)
社長の仕事とは、一言で言うと「会社を存続・成長させること」です。
非常に抽象的だと感じるのではないでしょうか。
会社を存続・成長させるために考えなければいけないことは無数にあります。
例えば、「売上を伸ばす」というありがちなことを考えてみます。
単価を上げるのか、はたまた安売りをするのか、広告を打つのか。
単価を上げるならどれくらい上げるのか、安売りするならいくら安くするのか、広告媒体はどうするのか。
書き出したら切りがない、考えれば考えるほど発散していくのが抽象的な仕事です。
具体的な仕事
一言で言うと、「終わりがある作業」です。
今時ないかもしれませんが、一番分かりやすい例で言うと、コピーを取ったり、エクセルに数値入力するといった作業です。
手を動かす作業とも言えます。
やることが明確で終わりがあるものが、具体性の高い仕事です。
社長が社員に求めてはいけないこと
ここまで抑えたうえで、今回の本題に入っていきます。
結論から言うと、「会社の大きな方針に関わることに対する意見を本気で求めること」です。
社長や経営幹部が社員に「新規事業のアイデアを出してほしい」「新しい開拓先を考えてほしい」といった質問をすることがあります。
または、「もっと会社全体のことを考えてほしい」「自分の担当範囲だけでなく視野を広げてほしい」と言われることもあると思います。
私の考えでは、意見を求めること(参考程度に)自体はあっても良いですが、抜群のアイデアを求めることは期待値が高すぎます。
ましては、社員から良い回答が得られなかったことに対して指導するのはおかしいと思います。
その理由は、ピラミッド構造における役割から外れているからです。
社員の役割は社長(上長)の意思決定に従い、それを実行することです。
会社全体の方針を考え、意思決定が社長の仕事です。
社員に会社全体に対しての意見を求めることは業務放棄と変わりません。
当然、現場の声を意思決定のインプットにすることに問題はありませんが、意思決定は社長(上長)がするものであり、
その責任も社長が取るべきです。
社員に意思決定の業務を負わせてはいけません。
社長が社員に求めること
逆に、社長が社員に求めること、つまり優秀な社員に求めることについてお伝えします。
細かい点はたくさんありますが、今回は2つに絞ります。
与えられた業務を遂行できる
1つ目は「与えられた業務を遂行できる」ことです。
最初は簡単に思えるかもしれませんが、実際にはかなり難しいことです。
これは「上司の期待に答える」こととも言えます。
もしくはもう一段階上なら「上司の期待を超える」ことです。
与えられた業務を問題なく推古うできるのが大前提の求めていることだと思います。
少しだけ脱線します。
上司の期待に応えることができた、もしくは期待を越えられたことはどれだけあるでしょうか。
完全週休2日の会社の社員は、年間230日ほど働いています。
そのうち何日が上司の期待に応えられたか、あるいは超えてきたのか、自信を持って言える日は何日でしょうか。
かなり難しい質問ではないでしょうか。
モチベーションの高い人、上を目指したい人はぜひ考えてみて下さい。
自分の意見を持っている
2つ目は「自分の意見を持っている」ことです。
社長は社員に意見求めていけない、と先述しました。
「会社の方針に関する意見」という意味です。
前回の記事で、直談判はNGとも書きました。
お伝えしたかったのは、ピラミッド組織の原則を飛び越えて意見をむやみに伝えるべきではないということです。
「自分の業務・観測範囲」に対して、意見は持つべきというのが私の意見です。
自分の業務の目的、もしくはどうすれば効率化するのか、業務範囲を広げられるかを考えること・意見を持つことに価値があります。
また、前述の「業務を遂行できる」ともかぶってくるのですが、自分の業務に関しての判断が困る事態が発生するとします。
こういう場合でも自分の意見を持つのは非常に価値があります。
例えば、お客様からクレームがあった場合、上司の判断が必要であれば、
「どうしたらいいですか?」というオープンクエスチョンをしてはいけません。
それよりも、「このクレームに対して私はこう対応した方が良いと考えています。いかがですか?」と、
クローズドクエスチョンで報告することが大事です。
この方法を取ることで、上司の意思決定を手助けし、上司にとって非常にありがたい存在になることができます。
意思決定は最も労力がかかり、ストレスのかかる作業です。
そのため、意思決定をサポートする社員は貴重な存在です。
また、自分の業務範囲で意見を求められたときに自分なりの回答をしてくれる社員。
多くの社長が評価したい社員ではないでしょうか。
まとめ
「社長が社員に求めてはいけないこと」は、会社の大きな方針に関わることに対する意見を本気で求めることです。
理由は、それが社長の仕事であり、業務放棄に等しいからです。
そして社長が社員に求めることは、以下の2点です
- 与えられた業務を遂行できること
- 自分の意見を持つこと
少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
おまけ
意思決定の話は出てきたので、結婚式を挙げたときの話を少し。
結婚式をする上で決めることはたくさんあります。
経験者の方はきっと気持ちを分かってくれるはずです。
そもそも式場は無数にあります。
そして式場が決まっても日程、ドレス、料理、参加者、流す音楽など、決めることが多すぎます。
アメリカ大統領くらい意思決定することがあります。
覚悟を持って結婚式を開いてください。
今では、開いてよかったと思います。
実際のところ、私は妻の決定に従っていただけでしたが。
現場からは以上です。